第3回U-40東北支部Basic Lecture Course開催報告
開催日:2017年10月14日 午前9時35分~午後5時30分
開催場所:イービーエムふくしま製造開発センター
開催内容:座学 2時間30分、実技 3時間30分
第3回U-40東北支部Basic Lecture Courseを開催するにあたり、東北支部をはじめとした指導医の先生方にはお忙しい中ご支援を頂き、また、協力企業の皆様方には、物品の支援や会場運営などにおいてご協力頂きました。この場をお借りいたしまして、感謝申し上げます。
1. 参加者
U-40参加者(初期研修医含む)27名(青森9名、岩手2名、宮城6名、山形3名、福島7名)
U-40東北支部幹事8名、関東支部幹事1名(Needle Work講師として)
指導医9名(U-40運営理事1名)
安達理先生(東北大学 心臓血管外科)、大内真吾先生(中通総合病院 心臓血管外科)、
崔禎浩先生(宮城県立こども病院 心臓血管外科)、浜崎安純先生(山形大学外科学第二講座)、
相田弘秋先生(平鹿総合病院 心臓血管外科)、横山斉先生(福島県立医科大学 心臓血管外科)、
金一先生(岩手医科大学 心臓血管外科)、大徳和之先生(弘前大学胸部心臓血管外科)、
福田幾夫先生(弘前大学胸部心臓血管外科)
協力企業:テルモ株式会社、イービーエム株式会社、エドワーズ株式会社、
泉工医科工業、エチコン
センチュリーメディカル株式会社、セント・ジュード・メディカル株式会社、
日東メディカル株式会社、アルフレッサファーマ株式会社
2. 開催レポート
①広報・募集(担当 黒田吉則)
今年度も昨年に引き続いて福島のEBM社FISTを会場に開催した。募集定員は昨年と同じく40名とした。前年度は15人と非常に少ない参加者だったが、直前のキャンセルはあったものの、今年は27名の参加であったので、秋田と山形で研究会が重なってしまった割に、参加者はそれなりに多かったと思う。
まず、これまでの参加者に直接のメールを送り、学会事務局の協力を得て東北支部の各施設長・診療科長、U-40会員に案内を送付した。同時に、U-40ホームページに案内を掲載した。参加者の数からして、今回の募集に関してはよくできたと思う。
しかしながら、まだU-40の認識はそこまで浸透していないような印象もある。オフィシャルな企画として、さらに心臓血管外科学会会員に周知し、U-40会員が年1回のBLCを正式な学会活動として全心臓血管外科学会員に認識してもらい、BLCに参加に協力してもらえる環境づくりが必要と考えられる。
昼食時Needle Workトレーニング
昼食後、U-40代表 渡邊 隼先生によるNeedle Workトレーニングに関するlectureを行った後、各テーブル2人ペアとなり金魚すくいの「ポイ」を使用下Needle Work手技を行い、評価した。
初めての「ポイ」での縫合とレーニングは非常に難度が高く、なかなか上手にできる参加者は少なかったようだ。 評価はスマートフォンからアンケートサイトにアクセスし入力してもらい、その引き換えに昼食を配布することで、回収率は100%であった。
②座学セクション(担当 高木大地)
テーマは「術後管理」
9時45分より1時間のグループディスカッションを行なった。検討症例は、「低心機能・慢性腎不全を背景とする僧帽弁形成術後」と「急性MRに対する形成術後」の2例で、「LOS」「術後乏尿にたいする利尿剤の使用」「再挿管の原因検索及びその対応・戦略」に関して5グループでそれぞれ検討していただいた。各グループからそれぞれ割り振られたテーマに関して発表していただいき、質問・コメントを他チームから受けるという形で行なった。施設間での違いを感じてもらうように、ディスカッションを促した。質問・コメントは参加者から自発的にあり、基調講演ギリギリまで会場全体でのディスカッションが行われた。司会より適宜会場への質問を行い、挙手にて施設間の違いが感じられるように勤めた。
10時55分より11時40分まで、講師 讃井將満先生より「若手心臓血管外科医と考える術後血行動態管理の要点」というタイトルで講演いただいた。血行動態、特にvolume管理に関して、最新のエビデンスを交えながら、実際に利用できる考え方・やり方を教えていただいた。最後に、ディスカッション中に上がった内容に関して、讃井先生の考えについてお話を聞き、終了した。
座学セクションとしてほぼ時間内で終了することができたが、ディスカッションに関しては、時間があれば、さらに掘り下げることができたかもしれない。座学セクションの時間を伸ばすことが難しいので、症例テーマを絞り、ディスカッションの時間を増やすことも今後検討する必要があると感じた。
④実技セクション(担当 小渡亮介)
午後は、弘前大学の大徳和之先生に三尖弁形成術に関して30分のkeynote lectureをしていただいた後に、人工心肺シミュレーター、心拍動下冠動脈バイパスのドライラボ、三尖弁形成(リング形成)のウェットラボの3つの課題に取り組んだ。各ブースをグループと指導教官が一緒に移動して行った。一人の持ち時間は人工心肺シミュレーターが20分、その他の2つは40分で、人工心肺シミュレーターの時にグループが分断されるやや複雑なプログラムだったが、指導教官と別に、2人のシミュレーター専属教官がいたため、大きな混乱はなかった。持ち時間に関しても、学年のバランスを考えたグループ構成をすることで十分な実技時間が確保でき、ほぼ時間内に終了することができた。人工心肺シミュレーターでは、人工心肺のカニュレーション、デカニュレーションを実際に行ったが、やり方に施設間での違いが大きく、参加者が各施設の方法や考え方を学ぶいい機会になった。経験年数が多い参加者も増えてきていることから、これまでのように全員でブースを回る形式だけでなく、選択性でより高度なトレーニングを行うブースの設立を希望する意見もあり、BLCに対する期待が更に高まっていると感じられた