2018年度第4回九州沖縄支部BLC報告
2018年6月24日、福岡大学病院において、日本心臓血管外科学会U40九州沖縄支部 第4回Basic Lecture Courseを開催いたしました。
開催告知後48名の申し込みがあり、残念ながら、心血の会員外の方には受講をお断りする事となりました。パンフレット作成の開催7日前までは41名の受講予定でしたが、キャンセル、緊急手術等で、当日は36名の方にご参加いただきました。希望者の約3分の2は過去にBLCの受講歴があり、新規の方は十数名でした。また、講師も17名の先生方にお越しいただき、ほぼ1:2の手厚いご指導をいただく体制づくりができました。理事の福田教授から頂いたビデオレターから始まり、九州医療センター森田院長より開会のご挨拶をいただきました。
午前中は感染症について症例検討、グループディスカッションの後、佐賀大学感染制御部の濵田先生に「心臓血管外科領域での熱の考え方」というテーマでご講演いただきました。症例検討はディスカッションに十分な時間が取れず、もう少し時間がほしかったという意見が多く寄せられ、昨年同様、来年の課題となりました。講演は濵田先生が実臨床に即した非常にわかりやすいご講義をされ、皆さんとても熱心に講演を聴いていました。参加者や支部長から資料をいただきたいというご意見を頂き、後日U40HPなどで公開することを検討しています。
本年の基本手術手技評価であるNeedle workでは、皆さん熱心に試技に取り組んでいました。非常に若い先生でも、ポイを裂くことなく綺麗に運針される参加者もおられ、評価する側も非常に勉強となりました。午後の実技では参加者を昨年同様Basic, Advancedコースにわけ、BasicコースはAVRをタスクとしました。cannulationは最初に聖マリア病院安永先生にデモンストレーション後、希望者に実践して頂きました。また、Advancedコースでは2名の参加者に対して1名の指導医を配置し、ほぼ1対1の熱いご指導をしていただきました。
Advanceのタスクは僧房弁形成or置換術としました。また、福井先生に冠動脈バイパス術のレクチャーを行っていただきました
今回、聖マリア病院の安永先生のデモンストレーション、熊本大学病院の福井先生のバイパスのレクチャーをビデオ撮影しました。まだ、ビデオ検証まで至っておりませんが、今後、教材としての共有を検討しております。昨年の課題でもあった、物品不足はあまり感じること無く順調に進みました。
今回の当支部の目玉としていたのは、受講者の希望手技を前もって講師にお伝えする事で、wet labの時間が少しでも有意義になる様にした点です。受講者も明確な目標を持って臨んでおり、なかには、大口径の人エ血管を用いて、基部置換、David、バルサルバグラフトを用いた基部再建へ挑戦している受講者もおり、その熱意は素晴らしいものでした。そのおかげか、アンケートの満足度では総合評価は10点満点で平均9.3点でした。(最低点は7点でした)
BEATには12名に挑戦していただきました。昨年同様多くの参加者が技術を競い、熱意を感じるセッションでした。順位は1位立岡修治先生、2位山元博文先生、3位宮城ちひろ先生でした。受講者のアンケートによると、実技全体の評価は非常に高く、今後のBLCでMICSや大血管手術、特に基部の手術を取り扱ってほしいというご意見もいただきました。
会終了後、18:30時より懇親会を開催し、日曜にもかかわらず参加者、協力企業の方々含め30名にご参加頂き交流を深めました。参加予定は38名だった事に反し、当日キャンセルが10名程度出たことから、赤字採算となったことが課題となりました。
当日の懇親会のキャンセルはお店側から請求されることが多いため、今後の検討課題です
会を通じたくさんの参加者の先生方、指導医の先生方と交流でき非常に有意義な会となりました。開催に際
して会場をご提供いただきました福岡大学和田教授はじめ、ご協力いただきました指導医の先生方、講師の先生、企業の皆様に感謝申し上げます。