レポート

2019年度第5回関東甲信越支部BLC報告

2019年9月29日(日)に開催されました、第5回U-40関東甲信越支部Basic Lecture Course(BLC)のご報告をさせていただきます。
 これまでの関東甲信越支部BLCは、第1・2回は東京大学附属病院、第3回は長野県の佐久総合医療センター、第4回は横浜市立大学医学部福浦キャンパスシミュレーションセンターで行われ、今年度も横浜市立大学の同会場で行われました。
 申込は大変盛況で、定員40人は比較的早い段階で集まりました。参加者は首都圏近郊の先生が多かったですが、長野、新潟、栃木、群馬、山梨と遠方からも万遍なく参加していただけました。学年は卒後3-5年目の先生が約半数、研
修医の先生も6人参加していただき、若手の先生が多かったのが以前の開催との違いでした。  まず、開催の辞を横浜市立大学の鈴木伸一教授にしていただきBLCは始まりました。
 午前中は座学セクションでした。関東甲信越支部の今年度のテーマは「術前評価」で、第1部のKey note lectureは、埼玉医科大学国際医療センターの栃井将人講師にTAVIについてご講演いただき、TAVIの歴史・適応・遠隔期成績・手技などを学びました。SAVRが選択肢にある心臓血管外科医だからこそ出来るTAVIの関わり方についてとても勉強になりました。
座学第2部は「複雑症例に対する手術戦略」と題して、U-40幹事が日常診療で遭遇した症例についてのディスカッションを行いました。症例1は腹部大動脈瘤、下肢閉塞性動脈硬化症、冠動脈3枝病変を合併した症例でした。参加者からは1期的手術を行うという意見が多く、冠動脈バイパス術後に開腹人工血管置換術で腹部大動脈瘤と閉塞性動脈硬化症を同時に治療するという戦略でした。症例2はstageⅠbの膵臓癌を合併した重症大動脈弁狭窄症の症例でした。大動脈弁置換術を行った後に膵臓癌の手術を行う、膵臓癌の手術後に大動脈弁置換術を行う、TAVIを行った後に膵臓癌の手術を行う、大動脈弁をバルーン拡張して膵臓癌の手術を行った後に大動脈弁置換術またはTAVIを行う、などたくさんの意見が出て盛り上がるディスカッションでした。
 センチュリーメディカル株式会社によるランチョンセミナーの後、集合写真を撮りました。午前中は雨でしたが、昨年同様に写真撮影時は晴れ間がのぞき、図書館前のモニュメントで撮影することができました。
 午後はハンズオンを行いました。講師として、埼玉医科大学国際医療センター 鈴木孝明教授、横浜市立大学附属病院 鈴木伸一教授、自治医科大学附属さいたま医療センター 山口敦司教授、千葉大学附属病院 松宮護郎教授、聖マリアンナ医科大学附属病院 宮入 剛教授、東海大学医学部付属病院 長泰則教授、獨協医科大学埼玉医療センター 高野弘志教授、埼玉医科大学国際医療センター 吉武明弘教授、横浜市立大学附属病院 原健太朗先生、横浜市立大学附属病院 町田 大輔先生、神奈川県立循環器呼吸器病センター 伏見 謙一先生、U-40関東甲信越支部幹事OBの練馬光が丘病院 岡村 誉先生、千葉県循環器病センター 椛沢 政司先生、U-40 代表の東海大学医学部付属八王子病院 田中 千陽先生、U-40東京支部副代表の東京都立小児総合医療センター 平野 暁教先生にご協力いただきました。昨年の成功を生かし、参加者の満足度を高めるために手技の前立ちはなるべく講師・U-40幹部で行うこととしました。 講師の先生に10分程度 pit fall やコツなどをミニレクチャーしていただき、その後ハンズオンを行いました。希望の多いセッションは3-4人に分けられ気軽に質問ができる環境であり、普段なかなか聞けないような手技や解剖を聞くことができて大変好評でした。
 手技内容は、人工心肺カニュレーション&ポンプ操作、大動脈血管吻合(Y グラフト)、大動脈弁及び僧房弁置換・弁形成、冠動脈バイパス、またMICS入門と題しまして消化器外科の内視鏡外科実施認定医の指導の下、内視鏡手技練習キットを用いて内視鏡手術の基本操作 (縫合・結紮)を行いました。今年は若手の先生の参加者が多く、人工心肺カニュレーション&ポンプ操作、AVRを選択される先生が多かったです。
 そして、Advanced Lecture Course(ALC)予選会として冠動脈バイパスのコンテストを行いました。今年は11人と例年以上に多くの方に参加していただきました。研修医の先生も参加されており、大勢の講師陣にみられ緊張しながら冠動脈バイパスを行うという貴重な体験ができて皆さん満足そうでした。今年度の優勝者は日本赤十字社医療センターの小林 勇哉先生でした。
各講師の方々から講評をいただき、埼玉医科大学国際医療センター鈴木孝明教授の閉会の辞をもちましてBLCは終了となりました。

 終了後は、横浜市立大学の近くにある魚介のおいしい居酒屋で懇親会を行いました。昨年のBBQ同様大盛況で、同世代の先生方の交流がすすみ、貴重な出会いの場となりました。
 以上で活動報告とさせていただきます。
(文責:U-40関東甲信越支部 伊藤 貴弘)

開会の辞:横浜市立大学附属病院 鈴木 伸一教授
開会の辞:横浜市立大学附属病院 鈴木 伸一教授
座学(TAVI):埼玉医科大学国際医療センター 栃井将人講師
座学(TAVI):埼玉医科大学国際医療センター 栃井将人講師
グループディスカッション①
グループディスカッション①
グループディスカッション①
グループディスカッション①
グループディスカッション②
グループディスカッション②
グループディスカッション②
グループディスカッション②
集合写真
集合写真
人工心肺&カニュレーション
人工心肺&カニュレーション
人工心肺&カニュレーション
人工心肺&カニュレーション
Y-Graft
Y-Graft
AVR
AVR
AVR
MVR
MVR
MVP
MVP
MVP
MVP
MVP
MVP
CABG
CABG
CABG
CABG
MICS
MICS
MICS
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ALC予選会
ALC予選会