2018年度第4回北海道支部BLC報告
2018年8月25日土曜日、今年オープンとなった札幌医科大学の新校舎 教育研究棟Ⅰにて日本心臓血管外科学会U-40 北海道支部第4回BLCを開催しました。
参加者は20名で、今回のBLC参加をきっかけに1名の心臓血管外科学会への新規入会がありました。
午前中は座学セクション、昼食時にBasic Skill trainingとしてのNeedle Workを行い、午後に実技セクションを行いました。
座学セクションでは旭川医科大学 外科学講座心臓大血管分野教授 紙谷寛之先生に心筋保護の基本についてのご講演をいただきました。日本心臓血管外科 学会編著の心筋保護法標準テキストブックに則って、心臓の解剖・生理・代謝に始まり、歴史的変遷、多種の現行心筋保護法について丁寧に解説いただきました。最後のtake home messageとして、この本【心筋保護法標準テキストブック】をぜひ買ってくださいというありがたいお言葉もいただきました。
講演の後には、Moderate ARを伴う、重症ASにおける心筋保護法についてのグループディスカッションをおこないました。各施設の心筋保護法の違いやどのような点に注意しているかを共有することができ、新たな発見がありました。
昼食前後には、午後からのウェットラボに向けて、北海道大学 松居教授より大動脈弁および僧帽弁手術のレクチャーを、札幌医科大学 川原田教授より大血管吻合についてのレクチャーを、旭川医科大学 血管外科 東教授より小口径血管吻合のレクチャーをそれぞれ賜りました。短時間にするにはもったいない豪華な布陣で、内容も充実しており、非常に勉強になりました。
昼食後には、昨年同様ポイによるNeedle Work(運針トレーニング)を実践しました。ポイは非常に裂けやすく、針を離すと針が簡単に抜けてしまうので、針を把持する位置や針の角度を厳密に考えなければならず、非常に有効なトレーニング法であ ると感じました。ベテランの講師の先生が実際に行っている姿も見られましたが、各テーブルから難しい!面白い!と様々な声が上がっておりました。
午後の実技セクションでは、大動脈弁置換術(時間のある参加者は僧帽弁輪形成術および上行大動脈置換術)と BEAT による冠動脈末梢側吻合、人工血管とブタ頸動脈を用いた末梢血管吻合、人工心肺カニュレーションシミュレータを用いた大動脈、大静脈カニュレーショントレーニングを行いました。
会の最後に、ALC北海道支部予選を行いました。北海道支部では前回同様、同時に2名の術者の吻合状況を2台のモニターで実況するコンペティション方式を採用しました。講師の先生にご評価いただきながら行う、コンペティションは本戦さながらの熱気に満ちており、非常に盛り上がりました。
BLC後の懇親会にも多くの方に参加していただき、さらに交流を深めることが出来ました。尚、ALC北海道支部予選の結果は懇親会で発表され、優勝者は札幌医科大学心臓血管外科 沼口亮介先生でした。
お忙しい中にも関わらず、ご参加いただきました参加者および講師の皆様や協賛企業の皆様など多くの協力の下で今回の北海道支部 BLC が成功したと考えております。ご協力いただきました皆様、誠にありがとうございました。